meriyasu sono、そして防縮加工について
「meriyasu sono」
読み方は「めりやすその」
そのままローマ字読みです。
「sono」の意味は、日本語の「其の」
こそあど言葉の「その」です。
どうしてsonoにしたのか、果たして自分でもよくわからない…なんて言ってしまうと元も子もないのですが、名前はすごく迷っていて、迷いすぎて本棚を眺めていたら、愛読書の「雪沼とその周辺」(堀江敏幸著)が目に入って、「あ、その、っていいかも」なんていうインスピレーションをいただいてしまったのでした。
自分が文章を書く際に、こそあど言葉が多すぎると指摘を受けることも多く、特に「その」という言葉がすきなんですかね、つい多用してしまいます。
なので「その」といえばわたし、というような感じもあって、「これだ!」と思ってしまったのでした。
meriyasu sonoは、防縮加工なしの本当にナチュラルな糸で、もちろん100%ウールです。
わたしはどうしても、ウールにこだわってしまいます。
たとえば靴下を編むには耐久性のことも考えてナイロン混がいいのはわかっているのですが、どうしてもウール100%を選んでしまいます。
糸染めをするのにどうしても気になるのが防縮加工でした。
防縮加工がなされていないとフェルト化して糸同士がくっついてしまいます。
けれど、加工が施されている以上完全に自然体な糸ではありません。
編みやすい糸、完璧な糸を目指すには防縮加工が必須だと思っていました。
防縮加工していない糸を縮ませずに染めることができないか、試行錯誤した時代もありましたが、どうしても、乾かした後の糸はくっついてしまい、べりべりと剥がさないといけなくなります。
でもね、ようやっと、気がついたんです。
別にいいじゃないか、と。
べりべりっと剥がしながら編めばいいじゃないか、と。
完全にフェルト化してしまっていたらダメですが、温度調節さえ気をつければ糸自体の質は変化しません。ただくっついてしまうだけで、剥がせば編めるのです。
少し手間がかかりますが、それが醍醐味だと思えばいいです。
ほんの少しの手間こそが、自然体が生み出した結果だと、思えるようになったのです。
今回発売したDKヤーンは、特性上糸同士がくっつくということはありません。
ただ、触ったときにややぱさつきを感じます。
また、染め上がりは淡い色合いに染まりがちです。
くっつきやすいのが4plyの糸なんですね。
めげずに4plyも発売を目指したいと思っていますので、どうぞお楽しみに!